④ なぜ働くのか

❶ なぜ働くのか、「一度考えてみる」のもいいはず。

「生活のため」と答えるのは少し待ってほしい。あえて、少し、クリティカルに意地悪く考えたい。「生活のため」ということは、それは、我々にとっての「呼吸」と同じで、それがなくなったら「死ぬ」ことになるようなことなのか?働かなくても死なない。生活保護もある。死なない。「ひも」になれば、養ってもらえる。タモリは赤塚不二の家に居候して立派に生きた。仕事(働く)=生きていくためにやることではない。

では何のためか。アンケートによる。

  • 1位 生活をしていく(生きていく)ため――82.4%
  • 2位 家族を養うため――46.7%
  • 3位 趣味や自由に使えるお金を手に入れるため――39.2%
  • 4位 自分を成長させるため――26.7%

https://www.bunoshi.com/entry/reason-for-work より

仕事をして、生活のための「お金」をもらっているのは事実。しかし、生活をするためだけであれば、働かなくても可能である。3位4位こそ、その答えだ。

上昇志向、成長欲と密接に関連する。

人には成長欲がある。そして、これが、仕事(働く)ことと関連付けられる。

❷ マズローの欲求段階説。

人間の要求は、この階段を上っていく。多くの場合「日本国」が生理的欲求、安全欲求は担保している。なので、自身の仕事は、そこから上に上るためである。この法則は、ビルゲイツ、スティーブジョブスなどが、最後はヨガに向かうのもこの法則内の話である。

❸ ビジネスマンの成長領域の一般的な構造

・実務能力:現場の業務に対する知識。専門職の場合は実務能力が縦に長い。

職人 プログラマー 記者 クリエイティブ職(スペシャリスト)

・エンプロイヤビリティ:業種業界に関連なく求められる能力

総務 人事 経理 (士業 管理部門 主にMBAの教科科目)

・マネジメント力:ボードメンバー以上に求められる能力

リーダーシップ イノベーション カリスマ

ここで気を付けてほしいのは、日本人は実務能力に過剰に拘束される。「真面目」なのである。目の前の仕事に対して忠誠を誓う。そもそもただの営業で、それほど専門性も高くないにもかかわらず、現場での能力を磨こうとする。しすぎる。OJTが蔓延し、先輩の経験のみが成長価値軸とされる。

❹ 自分の成長 と 会社の成長

 1987年~1991年のバブルを契機にいろいろと消えていったものがある。

バブル景気で消えたのは、「バブルなお金」だけではない。

高度成長期からバブル期まで、企業に存在した3種の神器

・年功序列(昇給保障)・終身雇用(労働確保)・労働組合(賃金確保) を失った。

その後支配したのは

・能力主義(昇給格差) ・成果主義(成果配分) ・リストラ(人事弾力性)

つまり、平等安定から、競争サバイバル への変貌があった。

❺ 右から上がりでない時代の雇用関係

一方で新しい、企業と、従業員の意識も形成されるようになってきた。

企業は、従業員の成長に興味を示し、そこからより収益を期待するようになった。

企業は従業員の成長を促す義務を負った。従業員も自らを成長させる義務と権利を手に入れた。「成長」で結ばれる関係性がそこにある。